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zoom RSS 東都八景四季賑

<<   作成日時 : 2009/09/22 19:41   >>

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 土曜日、東京文化発信プロジェクトの
 主催している催しの一環である、
 日本舞踊「東都八景四季賑」を
 国立劇場で観て来ました。
 現在、各流派で活躍されている
 舞踊家さんのそろった豪華な舞台で、
 江戸の名所と言われる所を
 四季折々に合わせて踊り巡りをする
 という楽しい趣向でした。
 

 
 いうまでもなく、どれもすばらしかったのですが、
 私がとりわけぐっときたのが、
 尾上紫さん演じる人形振りの「櫓のお七」でした。
 最後の鐘をつくところ以外は、文楽の人形に扮して、
  お七を演じるので、顔も瞬き一つしない無表情で、
 人形特有な不自然な身体の動きと制約の中で
 踊り続けるわけですが、
 舞台が進むにつれ、動きも激しくなり、
 お七の情熱と切実な思いが体全体から伝わってきます。

最後のクライマックスで、人形から人間のお七になり、
雪の中、必死に櫓に駆け上るお七を観ているとき、
人間だとか、人形だとかそういうものを超えて
ただお七の狂おしいほどの思いだけが舞台に
存在し、見ている方も胸が痛くなるような一体感を感じて
いたように思います。
鐘をついた直後の櫓に立ったときに見せた刹那の
思いつめた、哀しいなんともいえない表情は、
それまでが、人形として生身の表情を一切見せない
だけに、一層鮮烈なもので、見ていて目の辺りが熱くなって
潤んでしまいました。

そして、「お七」をあんなふうに
踊ってみたいと強く思いました。

以前から、この人形振りのお七をいつかやってみたいなと
思っていましたし、歌舞伎の役者さんや、他の舞踊家さん
が舞台で踊っているのを見て、
「すごいなあ。ああいうふうに踊れたらいいだろうな」
と思ったことはよくありますが、自分とは別世界のこと
という感じでした。
人の踊りを見て
「あの演目を、あんなふうに私も踊りたい」と
はっきり思ったのは初めてかもしれません。

いつかやれたらいいなというものが、
必ずやりたいというものになった日でした。

踊りを見て、目がうるうるということは
私には、めったにないことで、人にいうのも
恥ずかしかったのですが、ちょうど
お稽古場の方たち数人と、会場でいっしょになって
終わった後に、口々に同じようにお七を見て、目がうるうる
していたといっていたので、皆さん心を打たれていたようです。


それから、
この東京文化発信プロジェクトは、他にも伝統芸能
を鑑賞できる催しをいろいろと企画してくれています。
詳しくは
http://www.bh-project.jp/
のサイトを訪ねていただいて、これを機会に
たくさんの方に、伝統芸能に触れていただきたいなと
思います。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
初めまして。今回、初めてコメントさせて頂きます、星子と申します。実は、今年の4月に私も「櫓のお七」を踊らせて頂きました。信じられない位、しんどくて苦しい演目で、何度か真剣にやめよう、と思ったものでした。色々な事情があり、私にとってお七を本舞台で踊らせて頂いたのは二回目でした。
どちらも同じ古典の流派で踊ったのですが、見事に振りが違っていてとても戸惑ってしまいました。
最後にお七を名披露目で踊ったのが高校生の時で、それを機に踊りをやめること、24年。また再びご縁があって、新しいお師匠さんに出会い、舞台に立つ事になった時、なぜか絶対にお七を踊らないといけない!!って思い込んでしまって・・。やめるきっかけともなった演目でしたが、もう一度お扇子を握るなら、この曲から!!とお師匠さんにお願いして、教えて頂きました。が、何せブランクは長いし、体力は無いし・・・、散々な本番でしたが、すごく達成感だけは残りました。私にとって、一生忘れられない演目です。(流石に3回目の舞台は無いですけどね)
お七、と聞いて、思わずコメントしてしまいました。ぜひ頑張って、この演目を踊り通してみて下さいね。
星子
2009/10/03 13:30
遅くなりましたが、コメント
ありがとうございます。
子供の頃から、踊りをやっていた方ならではの
深いコメントですね。
大人になって踊りを始めた私は、一つの
演目を舞台で演じられるのは、おそらく一度だけ。
それを思うと、二度もこういう大きな演目を舞台で
やられたことが羨ましく感じたりもしますが、
その分大変な思いもされたのでしょうね。
踊りを続けること、舞台で踊ることは楽なことでは
ないけれど、やっぱり素晴らしい。
一度しか踊れない分、時間が限られている分、
一つ一つの舞台を大切にしていきたいと思います。
そしてブログに書いた日のことを忘れず、お七を
近い将来ぜひ、舞台で踊りたいと思います。
yukiemi
2009/10/06 22:24

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