和と洋の踊りその1のおまけ-上へと下へ向かうDNA?-

前回、和である日本舞踊は下へ向かう動きで、
洋であるバレエは上に向かう動きの
違いについて、書いたけれどここで、
なぜ東西の踊りが上と下に対照的に向かって
いるのかと考えると、これはもう西洋と日本の
長い歴史的、文化的な違いに関わってくることになる。

身体を解き放って、上へと向かって踊るバレエは、
「神が天にいる」という宗教的なものや、
狩猟を主としていた歴史的なものとも絡み合った
西洋の文化背景によるのだろう。
一方日本は、元来農耕民族であり土への畏敬の念も強く、
宗教的にも土に帰っていく
という発想のある文化背景がある。
踊りそのものも、ルーツは農耕での豊作を願ったり、
祝ったりするところからきているから、
その動きも当然下へと向かったものが多い。
(第一農耕そのものが腰を落とした状態での作業だ)

そういうことを考えたときに、昔バレエの先生が、子供たちのクラスで
3拍子のワルツステップを教えていらっしゃったときに、ため息まじりで
「やっぱり、日本人のDNAかしらね。パリのお稽古場
(その先生はパリで活動されていたことがあった)では、
ほとんどの子が何も言わなくても、
3拍子のステップを踏むとき、1で軽く下がったら、
必ず次の2でふわっと上に上がってきて、
イチ ニイ~ サンと、2のあがるところにアクセントを置いて
ステップを踏んでいくから、上へ上がっていく軽いステップになるのに、
この子達(日本人)だまって見ていたら、
ほとんどの子が1が一番高くて、そこから23てどんどん下がっていくのよね。
イチ ニ サン て1にアクセントおいて、その後どんどん下へ下がるから 
そのまま上がってこない。重くなって下へ沈んでいってしまうのよね。
土へむかう農耕民族のDNAをしっかり受けついでいるんだろうね。」
とおっしゃっていたことを思い出す。
バレエの基本的な体の動きを、
とても大切にしていたその先生にとって、
それは嘆かわしい現実であったのだろうが、
東西の文化と踊りの相違のツボをついたコメントだ。

日本人である私には、本来この下へ向かう農耕民族のDNAがあるわけだ。
長いこと洋舞をやっていたため、私の体のどこかで眠っていた
DNAを呼び覚まして「下へ」と向かって動けるようにしなければ。

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