雷神と獅子と「喝!」

 
  雷神の眼(まなこ)見開く極暑かな

 
 まだ、梅雨明けして間もないのに、東京はすでに厳しい暑さです。
昨年、連獅子のお稽古を始めたころの、うだるような暑さの日、
浅草の雷門の前を通りかかった時に作った句を思い出しました。

 踊りをやっているため、とかく今自分がお稽古している演目に
関連のあるものに目がいったり、世の中の様々なことを、その演目に
結び付けて考えてしまいがちです。
そのため、普段だと(連獅子をやっていないとき)
それほど気にしない、浅草の雷門の両脇にある風神雷神像に
やたらと目がいきます。
連獅子のような勇壮な男の踊りのあの力強さは、
ああいう造形がルーツなんだろうなあなどと、隆々とした脚や腕の
線や、足のふんばりや、肘をはったときの力強さなどまじまじと眺め
人前でなかったら、その前で風神や雷神の脚や腕の格好をその場で
真似ていたかもしれない勢いです。(^^;)

そうやってまじまじと風神雷神を眺め、脚や腕から顔の方に焦点が移り、
眼にいったとき、はっとしました。
 暑さの中での日本舞踊のお稽古は、日ごろにまして汗だくで過酷です。
くじけそうな心に気合がいります。大好きな踊りでさえ、これですから
暑さのために全てのことに、なんとなくおっくうで、やる気が減退している
時期。私に限らず人間が皆暑さの中、けだるく生活しているようなこの
俗世の社会を天の上から、かっと眼を見開いて
喝!
と一声を浴びせられているような気がしました。

私にはその上、その雷神の眼が
今自分がやっている連獅子の獅子の精とも重なって
「そんなんじゃ、連獅子なんか踊れないぞ~!」
と、しかられているようで、
暑さに負けず、気をひきしめなければと、しばし反省したものです。
いよいよ夏本番!
しっかりと乗り切って、舞台では
「連獅子」を無事に務めなければとこの句を
思い出して気持ちを新たにしています。

 

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