浴衣 二句

シャリシャリと仕立てあがりの浴衣かな 

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仕立てを頼んでおいた今年の浴衣会で着る
浴衣が届いた
踊りをやるようになって、一際季節感を感じる
ようになったことの一つが、この仕立て上がりの浴衣を手にするときです。
仕立てたばかりのまだ袖も通していない、糊のきいた、
パリッとした浴衣を手にするのは、本当に気持ちがよいものです。
「夏本番だなあ」と実感するひと時であり、
同時に「この浴衣でしっかりと踊ろう」と
夏の舞台に向けて踊りへの思いを改めて感じる
ひと時でもあるのです。

*浴衣会:踊りのお浚い会ですが、その名の通り、本舞台と違って
       衣装や鬘をつけないお支度なしでの、
       浴衣を着て踊る素踊りの舞台。 
        

色あせた藍の浴衣を愛おしむ

 一句目と対照的に、こちらは何年も着古した浴衣を詠んだものです。
お稽古に使う浴衣は、お稽古の度に、汗びっしょりになるので毎回
洗濯機でお洗濯。その後アイロンがけとかなり酷使されています。
生地は木綿のものが多いので、数年もそれを繰り返していると、
藍色だったものは、少しずつ色あせたものになってきます。
けれど色あせるほどに、そこには、汗を流す私と共に何年もいっしょに
稽古をしてくれたこと、お稽古をした演目のこと、本舞台で楽屋着となって
お白粉まみれになってくれたことなど、苦楽を共にした浴衣への思いと
共有した様々な思い出がつまって、愛おしく感じられ、
もうそろそろ限界かなと思われる状態になっても
一層丁寧に、アイロンがけをしたりなどしてしまうのです。

おまけ:たまに、何年も着て、生地がかなりいたんできても
    色はほとんどあせないというものもあります。
    30年近く前、亡き祖父が母に買ってあげた浴衣の反物が
    そのままで箪笥の奥に眠っていたものが出てきて
    (私の母はいわゆる「着物を着ない人」なので)
    孫の私がそれを譲り受け、浴衣に仕立てたものがそれです。
    それを仕立てに持っていったとき、呉服屋さんが
    「今時珍しい生地ですね。なかなか手に入らないですよ。」
    と驚くようなものだったのですが(30年も前のものだから当然^^;)
    これがさらっとして着心地がいいだけでなく、5年たった今でも、
    生地はかなりいたんでいるのに、藍の色はほとんど
    仕立てたときのまま変わっていない。生地のせいか、染め方のせいか
    わからないけれど、昔のいいものって、やはりすごいです!
    あの世にいるおじいちゃん、ありがとう♪

 



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