和と洋の踊りその1ー上へと下へー

*ここを突然ご覧になった方は、少々わかりにくいことも
 あると思いますので、このプログの「和と洋の踊りープロローグー」
 をご覧ください。


「もっと腰を落として!」
「どうしてそんな高い位置でバランスとれるの?」
「まわるときに、伸びない。おなかでまわる」
「足拍子踏んだら、もっと下へ」

こういうご注意を、お稽古の間、先生から何度受けていることだろう。

日本舞踊は「下へ向かって」、洋舞は「上に向かって」
という違いは、私にとって、自分がそれをやっているときに、
最も意識がしにくい、克服すべき難点なのです。

お稽古し始めたばかりのころは、足拍子を踏んだ後に伸び上がってる
自分にも気づかず、「足拍子踏んだらもっと下へ」が
どういうことなのかすらわかっていなかった。

日本舞踊では、基本の姿勢そのものが、
やや膝を曲げた(緩めた)腰を落とした状態である。
まっすぐに膝を伸ばした状態というのは、
何かよほど特別の動きをするときのみだ。
やや膝を曲げた基本姿勢が、一番高い状態で、
それ以上に高さになる動きはなく、そこから「下へ下へ」と向かって、
できるだけ身体が床に離れない動きになっている。
跳躍や、連続した回転といった動きは非常にまれで、
そのかわりに、座った姿勢や、床に膝つきになって動くことが多い。
足拍子で床を踏む直前に基本の状態より、もっと腰を落とし、
踏んだ後は、それより腰はさらに落とす。
回るような動きのときもそうだ、回り始めのときに普段よりさらに、
やや腰を落としてまわる。回り終わっても
腰を下に落としたままでなければならない。

足拍子したり、回ったり、見得を切ったり、
何かする度に基本的にさらに下へ向かっていくのだ。


だが、「足拍子を踏んだらもっと下へ腰を落とさない」といけない。」
にもかかわらず、私は、足拍子を踏んだあと、ここぞとばかり足を伸ばし、
腰を上に引き上げてしまう。
回る動きのときは、まわり始める瞬間に、
腰を伸ばし、体をひき上げてしまうのだ。
始めのころに比べれば直ってきているようだが、
少し、油断すると今でもまだ出てくるし、
腰の位置も、どうしても別の動きに移ろうとするときに
無意識のうちに高いところに行ってしまう傾向にある。
これは、長年体にしみついている洋舞の動きから、来ているようだ。
(ただし、洋舞にもいろいろあるので、フラメンコやラテン系のダンスなどは
一概にそうとはいえない面もあると思う)

バレエをご覧になればわかるが、限りなく地上から身体を離し、
上へ上へと向かって踊る。
その究極がトウシューズに象徴されるのだろう。
できるだけ地上に足が接触する時間が少ないような
ステップや動きが多い。
だから、以前、私がバレエをやっていたとき、
先生からいつも言われていたのは
「上に上に」であった。
回転するとき、足を上げるときは、より一層体をひきあげて上に。
床に足を全部着く、プリエ(膝を曲げる)は、次に伸びたり、
動きやステップをする前の、一瞬の準備でしかない。
プリエで一度「床を押したら直ぐにあがってくる

これは「足拍子で床を踏んだら、もっと下がる。
次の動きに移るときも、もっと腰を入れて下がる。」

という日本舞踊とまさに真逆である。 
ところが先に、「上に上に」のバレエの動きを覚えてしまった私の体が、
「下に下に」の日本舞踊の中でそれをやって、
下がるべきところを上がってしまうのだ。

一番やっかいなのは、体が条件反射のように無意識に動いて、
自分では、なかなか気づけないところだが、
これは、もう徹底的に意識して直していくしかない。
「お腹を中心に動く。次の動きに行く前に腰をふっと入れる」ということを
常に呪文のように自分に言い聞かせようと思う。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック