和と洋の踊りーエピローグー

私がその相反する点に苦労しているので、これまで、
洋舞と日本舞踊の違う面ばかり書いてきたが、
舞踊として共通する点が全くないわけではない。
私が見出した動きにおけるわずかながらの共通点、
それは、まず、
「肩を落とし、背筋を伸ばして、体の中心をしっかりとする」
ということが基本の姿勢であるということ。
肩をいからせ、背中が猫背で、
お腹や、腰の辺りがぐにゃぐにゃとしているようでは
どんな踊りでも、踊れないということでしょうね。
それには、腹筋もしっかりしてないと
上半身が、この正しいポジションを保つことも
できないということになる。

もう一つは、共に、見た目よりはるかにエネルギーを
消費するということ。
まだバレエを始めとする洋舞のほうは、
ジャンプや激しい回転の連続、
速いステップなどがあり、見ているだけでも
そのハードさは想像しやすいものかもしれない。
しかし、一見そんなにハードなイメージのない
日本舞踊も変わらないくらいハードなのだ!

これについては、両方経験している私は、自身を持っていえる。
共に、本格的にやれば、アスリートと同じくらいの
強い体力・筋力が必要で、下手なことをすれば、怪我や
身体の故障(関節や筋肉を傷める)につながる。

お稽古のとき、私達は汗だくで、肩で息をしている。
夏のお稽古など、下着や襦袢は汗でぐっしょり濡れて
さらに、その汗が通り越して、浴衣や帯まで濡れている
ことも珍しくない。
特に男の踊りや、手の多い(振りが多く、速いテンポのもの)
踊りなどをお稽古するときは、
動きも激しいので、脚を痛めないよう、
「いったい何のスポーツでもやるのか」と
思うわれるほど念入りにストレッチをして、お稽古にのぞむ。
(初めて見学に来た方などが見たら、びっくりされる)
といった具合だ。
加えて、日本舞踊の本舞台での、重い衣装を身体につけて
踊り続けた後の疲労感とといったら・・・・


というわけで、ご存知なかった方、
「洋舞も日本舞踊も同様に、
エネルギーをたいへん消費するもので、体力勝負!」
ということを心にお止めおき下さい。

さて、数回に分けて、二つの舞踊の動きの特徴について
書いてきた「和と洋の踊り」の比較シリーズも今回で終了。
今回のシリーズは、二つの踊りの
「動きの特徴」という点からのみ、
しかも私自身が、強く感じている点だけに限って
いるものであり、和と洋の踊りの相違点は
当然他にもある。
舞台や、舞台を支える人々のことなど
舞台芸術としての特徴は、
今後折に触れ、書いていきたいと思う。


再確認:このシリーズは、私の体験に基づく
勝手な独断的私見なので、比較文化論だとか舞踊論だとかいった
何の専門的、学問的裏づけのあるものではありません。
従って、ここに書かれたそれぞれの踊りの比較の仕方や、
踊りの背景となる歴史的、文化的関連性といったものが、
正当とはいえない点もあるかもしれませんので
ご承知おきください。
ただ、日本舞踊がどんな踊りなのか
全然知らないという方は、まだ洋舞のほうがなじみが
あるという方も多いので、比較することによって
日本舞踊の「動き」について少しは、ご理解いただけ
たのではないでしょうか。


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック