本当に、さようなら。歌舞伎座

新聞に「歌舞伎座最後の日」と表示されている。
ああ、本当にその日になってしまったと思うと、やはりたまらなく淋しい。
密かに私の中で、ヨーロッパの名だたるオペラハウスや
劇場に劣らぬ、日本が誇れる劇場と思っていたその劇場の姿がなくなるのだ。
初めて、歌舞伎座という空間に足を踏み入れたときの、ときめきと興奮。
その後、どれほどここに来て非日常的世界にひたり、役者さんの
演じる芸に酔いしれたことだろう。
海外に数年滞在していた後、東京にもどってまず行ってみたい場所も
歌舞伎座だった。
日本舞踊を始めてからは、私にとって歌舞伎座はますます
特別な、そしてより身近な空間になっていった。


今月最後に歌舞伎座で観た演目の一つは、
昨年の浴衣会で私が踊った「連獅子」。
中村屋親子の息の合った名人芸を前に、
自分の踊った演目を歌舞伎座最後の
演目として観るのも、感慨深いものがあった。
少々胸が熱く感じられたのは、やはり感傷的になっていたせいなのだろうか。

新しく造られる歌舞伎座が、できるだけ今の歌舞伎座の劇場としての
空間をとどめてほしいと願ってやまない。

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